福利厚生費とは
福利厚生費は役員、事業主や従業員が安心して仕事に打ち込めるように環境を整えたり、補助をしたりするための支払いのことを言います。これも税金計算上制限があるので、福利厚生費という名目でやりたい放題好きなだけ使うことはできません。
具体例
・健康診断
・予防接種
・常備薬
・社員旅行
・新年会、忘年会
・サークル活動
・結婚、出産祝い
・香典、見舞金
・お菓子
・洗剤、芳香剤
・残業時の食事代
・食事の支給(要件あり)
会社での福利厚生は社内の規定がありますので、それに従う形になります。当然ですが、会社が福利厚生規定を定めているかも関係しますし、社員旅行も要件を満たさない場合は福利厚生費にはなりません。その場合は役員や従業員の「給与」扱いとなります。
仕訳方法
全体行事として年末に忘年会を開催した
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
福利厚生費 | 60000 | 現金 | 60000 | 忘年会 居酒屋○○ |
全体行事として忘年会を行った場合は福利厚生費で処理します。一部の誰かが有利になるような企画内容でなければ問題ありません。もし、忘年会と称して一部の従業員だけで行われたものであれば、交際費または給与扱いになりますので注意しましょう。
忘年会後の2次会が数名の従業員で行われた
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
交際費 | 15000 | 現金 | 15000 | 忘年会2次会 参加者○○ △△ □□ |
忘年会は全体行事ですが、2次会は数名で行われたということであれば、社内交際費として交際費になります。2次会と称して社長一人で遊びに行ったら給与扱いですので注意しましょう。
残業した従業員に夜食を支給した
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
福利厚生費 | 3000 | 現金 | 3000 | 残業用弁当代 |
残業した従業員に弁当代などの食事を提供した場合は福利厚生費で処理して問題ありません。残業というのは時間外労働のことをいいますので、元々夜勤の従業員に支給すると給与扱いになってしまいますので注意しましょう。
従業員に食事を支給した場合
残業とは無関係に通常の時間内で食事を支給する場合は給与扱いになります。しかし、次の条件を満たせば福利厚生費として計上することができます。
①食事代の半額以上を従業員が負担すること
②残りの会社負担分が月額3500円(税抜)以下であること
この二つが要件となります。
社員旅行をしたとき
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | 摘要 |
福利厚生費 | 60000 | 普通預金 | 60000 | 旅行会社 |
社員旅行は原則として福利厚生費として問題ありません。ただ、参加しない従業員に旅行相当額を渡してしまうと、旅行相当額と旅費そのものがすべて給与扱いになりますので注意しましょう。参加しない理由は行きたくないからはもちろん、仕事の都合で参加できない場合であっても旅行相当額を渡すと上記のように扱われます。
まとめ
こまごまとしたお菓子や見舞金くらいなら問題となりませんが、従業員へ手厚く食事支給や社員旅行を提供すると給与扱いになります。福利厚生費ではなく、給与扱いになると税務上負担が増える場合がありますので注意しないといけない科目ですね。
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