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発生主義とは

企業会計原則の中に損益計算書原則というものがあります。そこには費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割り当てられるように処理しなければならない。という規定があるんですね。

つまりどういうことかというと、発生主義は現金主義とは違って支払いや入金とは違って、支払や入金が起きるってこと(経済的事実)が発生した時期に計上することになります。

家計簿と違ってお金の流れで計算するわけじゃないんです。

どういった処理になるの?

8月に支払った電気代を現金主義会計で処理をした場合は

8/31 (借)水道光熱費 1000 (貸)普通預金 1000(摘要)電気料金 7月分

こうなりますよね。ですが8月に支払った電気代って集計期間は先月のものが多いですよね?本当だったら7月分の経費としてカウントするべきなのです。そうすると発生主義という考え方が役に立ちます。

7/31 (借)水道光熱費 1000 (貸)未払費用 1000(摘要)電気料金 7月分
8/31 (借)未払費用 1000 (貸)普通預金 1000(摘要)電気料金 7月分

という具合にすれば、実際に使ったタイミングで経費を計上することができます。売上でも同じ考え方になりますよ。

同じ取引でも月をまたいで2回仕訳処理をしなくてはならないので、ちょっと手間かかりますけれどね。

実務上利用するタイミング

基本的に取引は発生主義にて計上します。スーパーとかコンビニで何かを買ったときは、モノの引渡と支払が同じタイミングですけれど、小売とかでなければ、請求書のやり取りを経て支払や入金を受けますよね。

青色申告ならもちろん、白色申告でも発生主義で計上するのがベターです。

発生主義にするメリット

現金主義に比べると手間も管理も必要になるので結構厄介です。ですけれど、慣れれば大したことないですし、実際の利益を見るときにわかりやすいので、やっぱりこちらの方がいいですね。

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発生主義だとその月単位で売上と経費を対応させるのでどれだけの利益が出たのかが一目でわかるようになります。

発生主義のデメリット

現金の動きがわかりにくいことです。発生主義はあくまで事実が起きたタイミングで計上しますのでお金の動きには合わせていないのです。家計簿のように「お金の流れを把握する」ということには不向きですね。決算書は家計簿ではないので当然と言えば当然ですけれど…

実際の資金繰りとはまた別に考えないと、利益が出ているのにお金が減っているという事態にもなりかねませんからね。

まとめ

発生主義は現金主義と比べると手間が増えるので良いイメージが無い人もいるかもしれません。会社によっては決算の時だけ発生主義にする期中現金主義で処理しているところもあるくらいです。ただ、発生主義は慣れれば難しいものではないので正確な損益把握のためにも取り入れた方がいいでしょう。

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