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売上高とは

売上高は言わずもがなって感じもしますがね。商品の販売やサービスの提供、成果物の納品や完成など本業により得る対価のことです。

本業以外の収入は「雑収入」になるのですが、売上高に計上しても問題ないですよ。本業というのは法人であれば登記事項や定款で定めた事業内容がそれになります。それ以外が本業以外ですね。よくある例は、自動販売機収入や廃品売却があります。

売上計上のタイミング

売上の計上はお金を貰った時ではありません。お金を貰える権利が確定したタイミングです。

コンビニをイメージしてみてください

レジの前におにぎりを出して、お金を払っておにぎりを貰う。これは商品の引渡のタイミングとお金を支払うタイミングが一致しているので入金と売上が同時になります。これなら簡単ですよね。

でもコンビニに商品を納品する業者の場合はどうでしょうか?店舗内装業者の場合はどうでしょうか?コンビニのような対面での売上ではなく、ネットショップの場合はどうでしょうか?各業種によって売上計上のタイミングが異なります。ただ、考え方はパターン化されているので、押さえるところを押さえればすぐに身に付きます。

・小売業、卸売業

コンビニのような個人消費者へ販売するビジネスモデルや、コンビニなどのお店に商品を売る業者向けのビジネスモデルの業種の場合です。

出荷基準

出荷基準は商品を出荷したときに売り上げに計上することです。

宅配便で出荷するのであれば、配送業者に商品をお願いした日になります。届くかどうかという問題は残りますが、出荷基準ではこのタイミングでの売上計上になります。配達記録に依頼日がありますのでこの日付を売上計上の日にしましょう。

納品基準

商品を相手先に納品したタイミングで売上に計上します。相手先に商品が到着したときです。納品書を相手に渡した日を売上計上の日にします。

検収基準

相手先が納品された商品を確認した日に売上を計上します。上記の方法よりも確実に商品が行き渡ったことが証明されますが、相手から検収しましたと連絡を貰うのは結構大変です。

これらの基準は継続することを条件として、どれを使っても大丈夫です。

相手先の仕入の計上タイミングとこちらの売上計上のタイミングは原則一致するものではありますが、上記のどの基準を使って売上計上されているかが変わるので、計上タイミングが多少違っていても問題はありません。

サービス業

カラオケや旅館のような空間や労力を提供する業種のことをいいます。サービス=無料って考え方をしている人がいますが、そんなことはありませんので勘違いしないでください。

サービス業の場合は、役務の提供つまりサービスの提供が終了したときです。

例えば旅館に二泊三日で利用したとします。
旅館側のサービスの提供が終了というのは最終日のチェックアウトのときですよね。このタイミングで旅館側は売上計上となります。仮に前金としてお金を受け取った場合であっても「前受金」として計上することになります。

建設業

工事業者のイメージで問題ありません。原則は工事の完成をもって売上金額がもらえる権利が獲得できます。

完成工事基準

原則的な売上計上基準です。数ヶ月かかる工事であっても、完成するまで売上計上はしません。先にお金を貰うことがありますが、この場合は「前受金」として処理します。完成したら売上と振り替えましょう。

工事進行基準

工事の進捗に合わせて売上を計上します。進捗をどのように判断するかは工期の関係などから判断することになります。進捗判断は元請先が決めても受注先が決めても構いません。

仕訳方法

店頭で商品を販売した

借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
現金 1000 売上 1000 店頭販売

小売業のように店頭で商品と現金を交換する場合です。これはイメージしやすいですよね。

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まだ完成していない工事でお金を一部先に頂いた

借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
普通預金 100万円 前受金 100万円 ○○工事 前受

上記工事が完成した

借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
前受金 100万円 売上 150万円 ○○工事 前受金
売掛金 50万円 ○○工事 売上差額

工事が完成したら、前受金と振り替えて、まだ回収できていない金額を売掛金として計上します。

翌月になって売掛金が入金された

借方科目 金額 貸方科目 金額 摘要
普通預金 50万円 売掛金 50万円 ○○工事 入金

決算時の注意点

いわゆる期ズレに注意しましょう。期間損益を合わせるのですが、特に売上に関しては期末までに完了している仕事については売掛金として計上しなくてはなりません。相手の請求書が末締めであれば請求書をピックアップするだけなのですが、20日締めだったり25日締めだったりすると月末までの期間に完了した仕事があると漏れやすくなります。こちらからの納品書や発送書類も確認して注意しながら決算を組んでいきましょう。

税務調査では特にこの期ズレを見てきます。それだけ見つけやすいからです。

まとめ

売上は漏れなくダブりなく計上しましょう。漏れなくというのも地味に難しいのですが、自分の会社の正しい決算を組むという意味や税務調査時に無用のトラブルにならないようにするという意味でも重要なところです。

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